以前の家計簿は、主に現金の収支のみを記帳していく単純なものでした。預金通帳とレシート、電卓を用意して、銀行口座と財布へ出入りする現金の収支を記帳していけば、簡単に家計の全体を把握できるようになっていました。
しかし近年は、クレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済が普及。出入りする現金を記帳していくだけでは、家計全体の把握が難しくなってきています。
そこで最近、普及してきたのがスマホで家計の管理ができる家計簿アプリです。今回、紹介する「家計簿マネーフォワード ME」では、銀行口座と現金のみならず、クレジットカードや電子マネー、ポイントカード、証券口座などを含めた家計全体を「連携」と呼ばれる機能でほぼ自動的に記帳・把握できるようになっています。
もくじ
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家計簿マネーフォワード MEでできること
このアプリの特長は、5つあります。
- 家計が改善できる自動家計簿
- 節約ポイントがひと目でわかる
- 家計のムダを自動でお知らせ
- レシート、パシャ!で入力完了
- カレンダーで日々の出費も見渡せる
今回は、以上の特長のうち、特に便利なのが「1」と「4」の設定についてお伝えします。
家計が改善できる自動家計簿
「1」では、「連携」と呼ばれる機能が働くことで、銀行口座から引き出した金額やクレジットカードや電子マネーなどを使ってキャッシュレスで決済した金額や残高が自動的に取り込まれ、記帳されます。
いったん連携を行えば、取り込みは「毎日」または「毎月」、必要に応じてアプリが最新の金額や残高を自動的に取り込んでくれるようになります。
ユーザーが行う主な作業は、アプリが自動的に取り込んだ金額を、「食費」「日用品」「交通費」といったカテゴリー別に分類し、記帳していくだけ。
その作業も多くは、アプリが分類を自動的に判定して記帳してくれますから、任せておけば、実際の作業はほとんどありません。
すなわちキャッシュレスによる決済を増やせば増やすほど、家計簿が自動家計簿に近づいていくという仕組みです。
レシート、パシャ!で入力完了
自動化できない現金決済は、「4」がサポートします。
財布から現金を支出したときは、アプリの「レシート撮影」機能を使ってレシートを「パシャ!」。アプリがレシート上の文字や金額を読み取って、「1」と同様に分類を自動的に判定して記帳してくれます。
銀行口座・各種カードとの『連携』方法
ではさっそく、「家計簿マネーフォワード ME」をダウンロードして、実際に使ってみましょう。
アカウントを作成する
まずは、アカウントを作成します。
▼必要事項を入力しましょう。
銀行口座との「連携」を行う
「家計簿マネーフォワード ME」は、2600以上の銀行やクレジットカード、電子マネーとの連携が可能になっています。
特に銀行は、都市銀行やゆうちょ銀行、ネット銀行のみならず、地方の信用金庫や農協・漁協に至るまで、ほとんどの金融機関を網羅しています。
ここでは、ネット銀行の「住信SBIネット銀行」と連携させてみます。
▼連携できるサービスの分類から銀行(ネットバンキング)を選びます。
▼住信SBIネット銀行を選びます。
▼「住信SBIネット銀行と連携する」をタップします
▼必要事項を入力して、連携をスタートさせます。
▼しばらく待つと、連携が完了しました。「一覧」画面に、普通口座のみならず、外貨預金や定期預金に至るまでの現時点の残高が取り込まれました。
クレジットカードや電子マネーとの「連携」を行う
ここでは、J-WESTカードおよびSMART ICOCAとの連携を行ってみます。
▼クレジットカードからJ-WESTカードを選び、必要事項を入力して連携をスタートさせます。
▼電子マネー・プリベイドからSMART ICOCAを選び、必要事項を入力して連携をスタートさせます。
▼しばらく待つと、連携が完了しました。
「一覧」画面で、先に連携した住信SBIネット銀行の残高に加え、J-WESTカードでは今月の利用額と次回の引落し額が、SMART ICOCAでは現在の残高が、それぞれわかるようになりました。
以上の操作を繰り返すことで、使っている銀行口座やクレジットカード、電子マネーの全てを連携させていきます。
どこまで「連携」を行うべきか?
家計の全体を把握しようとすれば、銀行口座やクレジットカード、電子マネーのみならず、Amazonや楽天市場といった「通販」や、飛行機のマイレージなどの「ポイント」、資産運用している「証券」など、ありとあらゆる分野での連携が必要になります。
▼必要であれば、所有する不動産の資産価値まで「連携」できます。
とはいえ「家計簿マネーフォワード ME」に慣れるまでは、「連携」をほどほどにしておくことをお勧めします。家計全体の正確な把握は、たとえ自動化されていても管理の面で思ったよりも労力を使う点には注意が必要です。
「連携」で取り込まれた内容の確認
続いて、「連携」で取り込まれた内容を確認していきます。
銀行口座の確認
▼「一覧」画面で、「住信SBIネット銀行」の円普通口座をタップします。
▼アプリが自動的に取り込んだ明細の一覧が表示されます。
取り込まれた明細には、左端にアイコンが付きます。使い道をアプリが自動的に判定して分類が終わっている明細ですから、基本的にはそのままにしておきます。
ただし「?」マークのアイコンが付いている明細は、アプリが自動的に判定できなかった明細ですから、ユーザーが手動で使い道を分類し、登録してやる必要があります。
▼「?」アイコンが付いた明細をタップすると、使い道が「未分類」になっているのがわかります。
▼未分類になっている行をタップすると、使い道が選べるようになっています。
使い道により、適切な項目をタップすれば登録が完了です。
クレジットカードの確認
▼「一覧」画面で、「J-WESTカード」をタップします。
▼アプリが自動的に取り込んだ明細の一覧が表示されます。
使い道をアプリが自動的に判定して分類が終わっていることが、明細の左端に付いたアイコンでわかります。
帰省で使ったJRの費用は「交通費」に、ネットスーパーで使った食料品は「食費」に、電気代の引き落としは「水道・光熱費」に、それぞれ自動的に分類されていました。
「?」マークのアイコンは、銀行口座の確認でも説明しましたが、アプリが使い道を自動的に判定できなかった明細です。
▼「インターリンク」はプロバイダー費用の引き落としなので、「通信費」を選んでタップしました。
ほとんどの使い道は、アプリが具体的な例を挙げてくれていますから、選択に悩むことはありません。
またアプリが自動的に判定した使い道が誤っている場合は、手動で修正もできます。
電子マネーの確認
▼「一覧」画面で、「SMART ICOCA」をタップします。
▼アプリが自動的に取り込んだ明細の一覧が表示されます。
JRの電車代を自動的に「交通費」へ分類してくれたのはいいのですが、SMART ICOCAの場合、コンビニなどで使った明細の全てが「日用品」に分類されてしまいました。
ここは「家計簿マネーフォワード ME」の惜しいところで、明細の1件1件を、さらに細かく「食費」「日用品」「趣味・娯楽」といった使い道に細分化して分類・登録することができません。
以上から、使い道を完璧に分類しての記帳ができなくなっていることには注意が必要です。
「財布(現金管理)」を行う
続いて、「連携」では自動化できない現金決済のやり方について説明していきます。
▼「一覧」の画面で「財布(現金管理)」をタップし、必要な項目を入力します。
このとき、財布に名前が付きます。
また、名前が付いた財布へいれる現金を引き出す銀行口座が決まっている場合は、選んでおくと一部の機能が自動化されます。
▼財布の現金を数えて、実額を入力すれば、ひとまず完了です。
以降は、財布に現金の出入りがある都度、アプリを手動で操作して明細を入力していくことになります。
手動で現金の出入りを入力する
▼「一覧」の画面下部にある「入力」をタップすると、
▼入力画面が表示されます。
支出または収入を選び、金額を入力します。
▼未分類になっている行をタップし適切な使い道を選びます。日付けも確認しましょう。
▼支出元(収入の場合は入金先)は、あらかじめ名付けておいた財布を選びます。
ここを間違えると、家計簿の正確さが失われます。
レシートを撮影して現金の出入りを入力する
「家計簿マネーフォワード ME」には、現金の出入りを記帳するとき、撮影したレシートの内容を読み取ることで、面倒な手入力を一部、自動化してくれるレシート撮影機能があります。
▼入力画面の右上にあるカメラマーク(レシート)をタップします
▼適当な場所にレシートを置いて、撮影します。
レシートを正確に読み取らせるためには、なるべく真上から撮影した方がいいようです。
▼レシートの内容が読み込まれました。
レシートの内容を自動的に「食料品」へ分類されていて助かります。
とはいえここは、やはり「家計簿マネーフォワード ME」の惜しいところで、明細の1件1件を、さらに細かく「食費」「日用品」「趣味・娯楽」といった使い道に細分化して分類・登録することができません。注意が必要です。
また支出元は、あらかじめ名付けておいた財布を選びます。忘れないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「家計簿マネーフォワード ME」の「連携」「レシート撮影」機能についてご紹介させていただきました。
このアプリを使い、銀行口座やクレジットカード、電子マネーのみならず、amazonや楽天市場といった「通販」や、飛行機のマイレージなどの「ポイント」、資産運用している「証券」など、ありとあらゆる分野での連携を住ませれば、後は「レシート撮影」機能を駆使して現金の出入りを確実に行うだけで、完璧な家計簿が出来上がります。
とはいえ、上にも書いたように家計全体の正確な把握は、たとえ自動化されていても管理の面で思ったよりも労力を使います。
管理に労力を使いすぎると、「家計簿マネーフォワード ME」と向き合うことが面倒になり、使うのをあきらめてしまうことにもなりかねません。
手始めは、銀行口座と、よく使うクレジットカードおよび電子マネーを連携させるところから始めてみましょう。
「家計簿マネーフォワード ME」には、お金の使いすぎを警告してくれる機能もありますから、まずは健全な家計の管理で最も必要とされる「日々の支出の記帳」を行うことで、家計の節約につなげていくところを目標にしてみてはどうでしょうか!